番号バンゴウ b3
分野ブンヤ 大規模破壊実験のための振動台加振手法および計測・処理技術
タイトル 大規模加振装置を想定した弾性加振台の運動と振動の制御 
著者チョシャ  藤大二郎(日大院)
 平松秀文(日大院)
 佐藤 栄児(防災研)
 背戸一登(日大理工) 
概要ガイヨウ   我が国は世界有数の地震国であり,1995年1月17日には阪神・淡路大震災[1]によって多くの建造物が崩壊するなどの多大な被害が出たことで,地震に対する建造物の安全性を問われるようになった。そこで建造物の耐震性などを正確に把握するために実寸の建造物を加振できる巨大な加振台の建設[2]が進んでいる。加振台は地震波や各種入力波を忠実に再現するために,大きなストロークや速度,加速性能が要求され,そのためにも加振テーブル自身の軽量化が必要となる。しかし、軽量化に基づく問題点として,テーブル自体が加振された際の挙動が剛体的なものだけでなく,テーブルの加振周波数範囲に振動モードを有することとなる。つまり加振周波数範囲内に曲げやねじりモードが存在し,テーブル表面では加振入力通りに加振波が再現できたとしても,試験構造物の上方に離れるにつれて正しい加振ができないことが起こるという問題が発生する。
 そこで本研究では,加振テーブルを柔軟な平板構造物と見立て,それに多質点系物理モデルを構築して,本来テーブルを駆動させるためのアクチュエータを同時に振動制御にも用いることで,加振周波数範囲内でテーブルの振動を制御しつつ,入力加振を可能にすることを目的としている。一般に,テーブルのような無限自由度の振動モードを有する柔軟構造物は分布定数系特性を有する。これに現代制御理論を導入し制御するため,平板構造物の集中定数系低次元化物理モデル[3]を作成し,そのモデルを基にLQ、LQI制御理論を用いて制御系を設計して振動と運動の同時制御を行い,良好な成果が得られたので報告する。
戻る